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2005/09/22

第42章 ポチのお漏らし

 11歳の初冬、老犬に多い僧帽弁閉鎖不全症という心臓の病を発症したポチは、以後、症状の進行を遅らせる薬を服用しながら、病気と付き合っていく生活をすることになった。

 改めてこの病の要点を書くと、心臓の左心房と左心室とを隔てる僧帽弁が、うまく閉まらなくなる病気である。弁と、弁を操作する腱に障害が起こることで発症する。体に送るべき新鮮な血液が、弁の不調により心臓内で逆流し、体に送る血液量が少なくなってしまう。このため貧血、冷え性、運動量の低下、すぐに息が切れることになる。
 また、更に体に多く血液を送ろうとして心臓肥大になり、肥大になった心臓が気管を圧迫、咳を発するようになる。治癒は不可能で、病気の進行を遅らせ、出来るだけ永く病気と上手く付き合っていくしかない。
 服用させる薬は、利尿剤(尿を多く出させ、水を多く飲ませることで、重くなった胃の重力により心臓を下方に引っ張り、気管への圧迫を緩和する)、血管拡張剤などである。
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 獣医師のN先生は、高齢犬となってきたポチの為に、「ポチ君に負担が掛からず、副作用の無い薬から、服用を始めます。」との事であった。「ただ、咳の症状が重いので、5日間だけ抗生物質とステロイドで症状を抑えてから、薬を飲ませましょう」と言う事になった。
 
 ステロイドの効果は絶大(副作用も大きく、医師の指示通り使用することが肝心)で、ピタッ!と咳が止まった。そして、副作用の無い薬をスタートさせたのである。この薬は水を大量に飲む薬との事であった。
 確かに水の飲みっぷりはスゴイ!、水を飲むと言う事はおしっこもスゴイ!と言うことになる(本当は逆で尿を多く出すので大量に水を飲む)。
 夕方、家内が仕事から帰ると、玄関から飛び出してきて、「チ・ビ・ル!」とばかりに庭で放尿するようになった。

 こればかりは「ポチ、散歩まで我慢しなさい!」と言う事もできない。「あぁ~、すっきりした!さぁ、散歩、散歩!」と、家内を見上げ催促するポチであった。
 家族の一員として、ポチの苦しみを、まず取り除いてやりたい!その事だけを私も家内も願っていたので、ポチの元気な様子は嬉しかった。
 
 パートタイムに出ている家内には、仕事で遅くなったときは買物もせず、大急ぎで帰宅するという、忙しない日々が始まったのである。
 そしてある日、急いで帰宅した家内が目にしたものは、玄関から駆け出してきたポチのお腹から、「ポタ・ポタ」と垂れている滴であった。
 [ポチお漏らし!お漏らし!急いで庭に出て!」と家内は叫んだのであった。また暫くして気が付いたのが、寝起きのポチのお腹から「ポタ・ポタ」と・・・あぁ、悲しいかな、ポチはあちらの締りが悪くなってしまったらしい。

 お漏らしも、ポチの心臓病の進行が遅くなり、元気に過ごしてくれる為なら致し方ない。幸いなことに、臭いは殆んどない。とは言っても、やはり衛生上の事を考え、家内は犬用の紙オムツを買って来た。
 ポチは嫌がらずオムツを付けさせたが・・、尻尾を出して両面テープを剥がして、お腹に巻きつける・・、家内が「アッハッハッ!」と笑い出した。「肝心のおちんちんが、オムツからすぐはみ出しちゃう!」と笑い転げている。
 
 ポチは毛が長いので、市販のオムツでは上手くいかないようだ。
 家内が「うぅ~ん、ポチ、明日からもっと快適なオムツにしてあげるね!」と、またまた何か、アイデアが閃いたようであった。
                                    つづく 

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コメント

hitujiさん、こんばんは。
もったいないお言葉を頂き、恐縮しております。介護を続けながら、私達はポチを最後まで見守っていこうと決めていました。結果は記事で綴っていきたいと思います。

投稿: 益樹 | 2005/09/28 22:52

ゆきさん、こんばんは。
今改めて思い出してみると、発症してから体力が衰えるまで、あっという間の感覚です。人間と比較して、犬の年のとり方の速さに驚かされました。
オムツは、姪の娘がちょうどオムツが取れた時期で、買い置きしていて余ったのを貰ったりしたこともありました。

投稿: 益樹 | 2005/09/28 22:41

人間でも年取れば、どこかに故障が出てきます。犬もそれは同じでしょう。
それを素人判断で「老衰」として片付けてしまうか、ちゃんとした検査をして、適切な治療をするか、
そこに犬の飼い方についての飼い主の姿勢の違いが出てきます。
手遅れにならないうちの検査と適切な治療を決意なさった益樹 さんご夫婦の判断があったからこそ、
ポチちゃんは14歳もの長生きをしたんですね。
お漏らしの始末、決まった時間に薬を飲ませる等の世話を長期間続けるのは大変なことと思います。
最後まで愛情を持ってポチに目を向けていたご夫婦に感動です。
私も、そうした飼い主を目指したいですが・・・

投稿: hituji | 2005/09/28 22:34

ついに発症してしまいましたね。
本当に、僧帽弁閉鎖不全症はワンちゃんに多い病気ですね。
看病も大変だった事でしょう、お察しします。
それにしても、オムツの話にしても、投薬法の話にしても、飼い主さんのアイディアにはいつも驚かされます。(みなさんのコメントを拝見しました。)
さて、奥様はどんな妙案を思いつかれたのでしょう?
とても楽しみです。

投稿: ゆき | 2005/09/28 02:51

ヒナタロウの母さん、こんばんは。
タロー君が、おしっこの中で寝る状態は、本当にかわいそうですね。また、寝たきりの状態での介護は、本当に大変だったでしょうね。
でも、人間用の介護の尿とりパットを、腹巻のように、お腹に巻かれたのは正解ですよね。
実はポチも、人間の赤ちゃん用の紙おむつを工夫して、やはり腹巻のようにして使いました。

投稿: 益樹 | 2005/09/23 19:45

ポチちゃん、おもらしをしたんですね
タローは、最後寝たきりに近い状態でしたので、おもらしの経験は半端じゃないです。
寝たまま、おしっこマットの上ですると、
毛の長いタローは、おしっこの洪水の中にいることになります。歩きながらもたいへんでしょうが、おしっこの中で寝ているのもかわいそうでした。おしっこが出たと教えてくれたら、夜中でも風呂場で洗っていました。
女の子なら、紙おむつでよかったのですが・・・
でも、人間の介護用の尿とリパットを、腹巻のようにお腹にガムテープで巻いてみると悩み解決に近い状態 我ながらいいアイデアでした(笑)

投稿: ヒナタロウの母さん | 2005/09/23 18:45

ばやんさん、こんばんは。
犬に薬を飲ませるのは大変ですね。
ポチの場合は、肉の小片にくるんでやったり、大好きだった炊いた人参の輪切りにくるんでやったり、竹輪の穴の中に隠してやったりしました。でも勘がよかったので、餌だけ食べて薬はうまくペッ、ペッ、と吐き出していました。

投稿: 益樹 | 2005/09/22 21:50

ポチちゃん、治療が始まって、水をたくさん飲んで、オシッコが大変になってしまいましたね。失禁も出てきて、お世話も大変になってきましたね。ポチちゃんが嫌がらずにオムツしてクレタはよかったです。
うちも昨日から湿疹のための抗生物質の顆粒を飲ませていますが、今朝は飲んでくれなかったので、注射器で口の中に押し込みました。

投稿: ばあやん | 2005/09/22 08:11

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