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2005/08/21

第36章 ポチのお見舞い訪問(2)

 ポチは、家内の父のお見舞いを果たした。
 実父の介護を終えた家内には、今度は自宅までポチを連れて、帰りの旅が待っていた。

 義姉に、山陰線の園部駅まで車で送ってもらい、駅広場で散歩を済ませた後、ポチはゲージの中に入る。
 「さぁ~ポチ!ゲージに入るよ!」と、家内に声を掛けられたポチは、ささやかな抵抗を試みたが、実父に対してさえ厳しい、怖い鬼姉妹二人に睨まれたポチは、渋々ゲージに入る。
 
 山陰線でも、新幹線でも、大人しく旅を終えたポチは、日曜日の午後、新横浜駅に着いた。私は、新横浜駅で、家内とポチを出迎える。そして、ポチが入ったゲージを、新幹線の改札口で、家内から受け取ったが、相当の重さがあったことを、今でも覚えている。
 
 新横浜の駅前広場でポチをゲージから出してやる。
 famillyポチは、「ひどい目にあったんだよ!出してくれてありがとう!」とばかりに、私の顔を舐め回すのであった。
 空になったゲージを担ぎ、ポチを連れ、駐車場まで歩く。家内は背にバックパックを背負っている。自宅までのドライブ中ポチは、疲れが出たのであろうか、後部座席で熟睡していた。


【義父、義兄、義姉、甥、姪、家内、ポチ、次郎 H7年正月撮影】
 
 次の月には、建て替え中であった、義姉の家が竣工し、義姉夫妻は実家から引っ越した。
 如何に気丈な義父でも、リハビリしながらの一人暮らしは無理であり、予ねての計画通り、ショートスティ施設を利用しながら、兄姉妹全員での介護のスタートとなった。

 何年続くか分からない介護であり、家内を含めた兄姉妹全員の負担を考え合わせ、家内は月に一度ポチを連れての、新幹線を利用した、介護訪問をスタートさせたのであった。

 義父からは犬を飼うことについて、色々なことを教わった。
 「家族の一員とはいっても、犬は犬、人は人、本質が違うので、そこを、きちんとわきまえなければいけない。人様に笑われる飼い方はするな!」との義父の教訓であった。
 ポチが家内の実家に訪問した時も、義父はポチに対し、「ポチッ、ご苦労さん!見舞ってくれてありがとう!」と、毎回声を掛けてくれたものであった。

 義父は、子供達にも負担を掛けまいと、ショートスティに行くのにも、積極的であった。頑固ではあったが、思いやりのある、面倒見の良い義父であった。

 家内の、ポチを連れた、新幹線による介護の帰省は、この後3往復にて終了となってしまった。残念ながら、義父との永久の別れが、待っていたのである。平成10年の夏のことである。
                                  つづく

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コメント

ゆきさん、おはようございます。
それぞれの生き物の本質、本能、能力は、各々違ったものですので、当然その本能にそった生き方が、もっとも幸せな生き方だと思います。

犬は人間社会の中で順応して生きていますが(生きなければならないが)、やはり本質は、狩猟をしながら群れで暮らすということでないでしょうか。その本質を少しでも理解しながら、共に暮らすという姿勢がいるのではないでしょうか。犬は、人間にはなりえないと思います。

投稿: 益樹 | 2005/08/27 08:37

お義父さまの「人に笑われる飼い方はしないように」という言葉、胸にしみます。
今、子犬を買い求め、必死にしつけをする飼い主さんは沢山いらっしゃいますが、
そのうち何人の方が、社会的ルールと飼い犬のしつけを結びつけて考えているでしょうか。
かくいう私も、娘のしつけに手を焼いている所ですが・・・。
改めて、考えさせられる貴重なお言葉だと思いました。

投稿: ゆき | 2005/08/27 00:13

ばあやんさん、こんばんは。
おっしゃるとおり、義父は最後まで気丈に頑張っていました。頭の下がる思いです。
義父に鍛えられた次郎は、結構強い性格でした。

投稿: 益樹 | 2005/08/23 22:05

お義父さまの症状は大変でしたね。見るものが何重にもというのは、大変ショックでしょうね。気丈に、ご家族に迷惑をかけないようにと気遣っておられたのですね。
ポチちゃん、ケージも入れるとものすごく重いのに、奥様頑張られましたね。
柴犬は次郎ちゃんなのですね。
同じ犬でも性格が顔に出るようですね。しっかりした顔つきに見えます。

投稿: ばあやん | 2005/08/23 08:53

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