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2005/08/27

第37章 ポチのエピソードⅤ 新幹線編

 ポチにとって、新幹線、山陰線の、狭いゲージの中の旅は、大人しく利口にしていたとしても、かなり辛いものだったらしい。
 
 それは、何回目かの旅のことであった。いつものように、車で新横浜駅まで家内とポチを送り、駅前周辺でポチを散歩させ、いざゲージに入れようとした時、ポチはさっさと車に乗ろうとした。
 家内が、ポチ用の手荷物切符(ペットは手荷物扱い)を買い、ポチをゲージに入れようとしても、彼は私に絡みつき、頑としてゲージに入ろうとしない。
 ポチは私の事を、何でも言うことを聞いてくれる甘い人とみていて、私に媚びれば、何とか窮地を救ってくれると思っていた様だ。
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 家内は、「ダメッ!もっとビシッとしなければ!」と、何度か私に言った。その内、業を煮やした家内は、「もういいわ!帰って!貴方がいると、ポチがゲージに入らないから!」と言った。
 私は後ろ髪を惹かれながら、家内とポチを、新横浜の駅前広場に残して、車を発進させた。ポチは必至に、車を追いかけようとしたそうである。
 私がいなくなり、ポチも観念したのか、ささやかな抵抗の後、ゲージに入ったのであった。

 数度の新幹線での往復中に、家内とポチの、幾つかエピソードが生まれた。
 車内に空席があっても、家内はデッキにいて、ポチに話かけたり、ゲージの隙間からポチに振れてやったりしていた。そして、京都駅が近付いたときは、降車する人達がデッキに集まりだす前に、ポチの入ったゲージを抱え、開くドアの反対側のドアに行き、最後に降りる準備をした。
 ある時、開くドアの反対側にいた家内に、見知らぬ中年の女性が、声をかけてきた。「Sさんの妹さんですか?」「ハイ・・そうですが?・・」と家内が答える。なんと、その女性は、いつも山陰線の園部駅まで迎えに来てくれる、義姉の職場の同僚との事であった。

 「お姉さんが職場で、犬を連れて何回も帰省する貴女のことを、お話されてましたので・・!そうかな?と思いましたので・・・でもこんな大きな犬だったとは!」「お姉さんが感心してらした意味が、良く分かりました。ご苦労様です。」と、色々優しく言葉をかけて下さった。

 また、あるときは、新幹線が混み合い、デッキにも人がいっぱいになったとき、布で包んだポチのゲージに腰掛けていた家内は、60歳過ぎの年配の婦人に、「私もその箱の半分に、腰掛けさせて貰えませんか?」と、お願いされた。
 家内が「中に犬がいるんですが・・、犬は大丈夫ですか・・?大丈夫なら、どうぞ」と答えると、「えっ!(?_?)・・犬がいるんですか?」とビックリされた。
 婦人は、「見ていいですか?」と、カーテンの隙間から覗き、「へぇ~犬ねぇ~、まぁ、大人しい事」と、しきりに感心されたのだった。義父の看護のこと等、二人はゲージに腰掛けながら、名古屋まで話が弾んだそうである。

 他にも些細な思い出はある様だが、家内が「あの時は泣きそうになった!」というエピソードは次回に!
                                  つづく

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