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2005/07/07

第23章 ポチはお騒がせ犬

 ポチの散歩については、私達夫婦間でその役割を決めていた。平日の散歩は基本的に家内の日課、そして、休日、土曜日の夕方、平日でも帰宅の早い日は私の日課であった。

 その日私は、仕事先からの直帰で早く帰宅したため、ポチの散歩を受け持つこととなった。散歩に出かける直前に家内から「手術した所、最近良く舐めているから、気を付けながら散歩して」と云われていた。
 ポチが右後足の中指を切除する手術を受けてから数年経ってはいたが、手術跡が気になるのか、時折足先を舐めていたのである。
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 そして、散歩の途中急にポチの歩き方がおかしくなった。足を引きずるように歩く。私は「ポチ、足どうしたんだ」と立ち止まり、しゃがんで見てやるのだが、夕暮れで暗いのと老眼が始まっていてはっきりと見えず、要領を得ない。暫くして、またゆっくりと歩き出したが、今度は突然道端に寝転んで、手術した箇所を舐め始めた。

 私は携帯電話で、家内にポチの異変を連絡した。幸い家の近くだったので家内も駆けつけ、私より良い目でポチの足をチェックした。薄暗い中で調べたところ、どうやら指を切除した傷跡から、肉球が飛び出してきているみたいとのことで、そのまま二人してポチを抱え、N獣医師の所へ運び込んだのである。

 私は待合室で待機し、診療室に入った家内がポチが動かないように保定し、N先生に診てもらう。
 「う~ん、・・傷跡が化膿したかなぁ~、ちょっと切開してみるから、」といって、飛び出ている肉球らしきものにメスを入れられたが「あれ~、硬いなぁ~・・・ん?、何だ?これは、ピンセット取って!」・・・と助手の女医さんに言われた。そしてピンセットに挟んで、あるものを取り出された。「石じゃないし・・、なんだぁこりゃ?あ!こりゃドロップの飴だ!!」
 
 大分舐められた後の、リング状になったドロップを、誰かか落としたのだろう。それが縦向きに、ポチの指の切除跡にスッポリとはまり込んで、両側から指で挟み込まれる形になり、取れなくなっていたのである。当然色も真っ黒になっていて、見ただけでは正体がなんだか、分からなかったのである。
 「まぁ~よくこれだけピッタリとはまり込んだもんだねぇ~」「粘つくから気持ち悪かったんだろうねぇ」と診療室から先生達の笑い声が聞こえてきた。

 診療を終え、待合室に出て来たポチは私を見上げて、「あぁ、すっきりした、早く、帰ろ!帰ろ!」と催促するのであった。先生は「これじゃあ、お金は頂けませんよ、」と笑っていられた。私達も笑顔で帰途についたのであった。
                                     つづく

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