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2005/07/16

第27章 ポチのお見送りとお出迎え

 ポチはアレルギー犬になったり、胃腸が弱かったり、さらに老犬になってからは心臓肥大になったりと、色々体に変調をきたし、私達をハラハラさせる犬であった。
 
 しかし、ポチは日々の生活の中で、私達を癒してくれる大切な存在であったことも確かである。私達が癒されるポチの行動の中で、私達をお見送りしてくれることと、お出迎えしてくれることは、最も癒しを感じる彼の行動の一つであった。

 ポチの散歩は私の出勤と同時に始まる。私が出かけるのに合わせ、ポチも家内に連れられ朝の散歩となる。
 朝食を済ませ、出勤前に用足しのためトイレに入ると、ポチがトイレのドアの前まで来て、「ウォン!ウォン!」と短く「トイレから早く出ろ」と私に催促する。「あなたが出かけないと、ボクも散歩に行けないよ!」と言うわけである。これではまるで、ポチがシープド・ドッグで私は羊か、と、家内と笑った。

 私が駅に行く道とポチの散歩コースとの岐路で、「じゃーね、行ってくるよ」とポチに声を掛ける。
 彼は2~3回尻尾を振った後、さっと自分のコースへ体を向け「さっ、僕は散歩、散歩!」とばかりに、弾んだ足取りで家内と共に歩いて行く。
 私はいつもポチの方を振り返るのだが、彼は全くこちらを振り返ること無く、朝の日課の40分コースへと出かけるのであった。

 散歩が終わり暫くして、家内が週2、3日のパートタイムの仕事に出かけるときは、ポチは私が出かけるときよりも、数段手厚いお見送りをしていた様であった。
 「ポチッ、行ってくるよ!」と家内が玄関から声を掛けると、ポチはサッと2階へ駆け上がり、家の前の道路に面したベランダに出た。そしてベランダのフェンスの隙間から顔を出し、家内が道路の先の角を曲がって姿が見えなくなるまで、見送っていたとの事であった。pochi_7
 家内の帰宅時、やはりポチはベランダに出て、頭をフェンスから出しながら家内をまっていた。そして家内が疲れた足取りで家の先の角まで帰って来た時ポチは、「ウォン!」と小さく声にならない声を上げて、家内に「お帰り」の合図をしていたという。

 家内が「ポチ、ただいま」とベランダを見上げ声を掛けると、フェンスから慌てて頭を引っ込め、大急ぎで玄関めざして走る。家内が玄関のドアを開けると、尻尾をフリフリ、階段を吹っ飛んで降りて来たとの事であった。
 家内の顔を見て、散歩に行けると思い安心するのか、水をがぶ飲みしてから、着替えをする家内と玄関とを、忙しく往復して「散歩!散歩!」と催促したのだった。

 ポチの3回目の散歩は、私の出迎えであった。我が家は相鉄線の二つの駅のちょうど中程にあり、日々電車の乗り換えの都合で、下車駅はこの二つの駅のどちらかになるのであった。
 駅に着くと私は、家に帰るコールをする。そして家内がポチを連れて私の出迎え方々散歩に来るのであった。
 家を出て直ぐに家内は、ポチに向って私が降りた駅名を言う。するとポチは、二つの駅への分かれ道を、左、右間違えることなく、駅に向ったそうである。

 帰り道の中間で、ポチは私の姿を見つけると、散歩は終わりと、くるりと180度回転して、さっさと帰途に付くのであった。
 私が帰って来るのは、ポチにとって当たり前なのか、クールに出迎え尻尾さえ振ってくれなかった。
 ポチの出迎えの態度は、私と家内とでは明らかに違っていた。それは我が家内での力関係なのか?
 いまだに私は、ポチが私と家内のどちらを上位と思っていたか疑問を持ったままである。
                                       つづく

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コメント

>ゆきさん、こんばんは。
 そうですね。ポチは家内をリーダーと思っていたことは間違いないようですね。
 そして私のことは、何でも言うことを聞いてくれる甘いおじさんとでも思っていたようですね。
 ポチが何かおねだりするときは必ず、家内ではなく私に訴えていたものです。

投稿: 益樹 | 2005/07/18 19:24

なんとも可愛らしいポチちゃん。
明らかに、ポチちゃんは奥様に一目置いていたようですね。
そして、益樹さんのことは、「大好きなママの、大切な人」と認識していたのでしょうか。
大型犬はその家のご主人を、小型〜中型犬は奥様をリーダーと見なす傾向があるように思いますが、いかがでしょうか。
それにしても、羨ましい。
私もそのようなお出迎えを受けてみたいものです。
休診日の午後,すてきな記事を読ませていただきました。

投稿: ゆき | 2005/07/18 11:24

>幸さん、こんにちは。ポチも若い頃は記事のように、出迎え、見送りしてくれましたが、やはり老犬になってから、特に夜は、寝たままの挨拶になってしまいました。私が帰ってきても気が付かず寝ている状態でした。「ポチ、ただいま」と声を掛け初めて気付いて目だけを開けますが、体はじっと寝たままでした。今思うと体調の悪さと闘っていたようです。それを見て、彼があとどれくらい生きられるのかなあと、いつも思っていました。

投稿: 益樹 | 2005/07/16 17:13

こんにちは。関東もそろそろ梅雨明けしそうな気配ですね。

毎回ほのぼのしながら拝見させて頂いています。2階のベランダから顔を出してお迎えしたり、お見送りしてくれるポチくんの様子が目に浮かぶようです。本当に可愛らしい。

うちのポチも最初はそうしてくれていたのですが、次第に寂しい思いの方が強くなったのでしょう。こちらが家を出て行く姿をまるで見ないようにするかのように、出かけると伝えると部屋の奥の方に消えていくようになりました。

投稿: | 2005/07/16 13:54

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